少しだけ人生を考えてしまったとき
「おう」
と声をかけてきたのは、スーツにトレンチコートを着て、ネクタイを締めている友人、そう気づくのにわずかに時間がかかる。
髪は短くきれいにセットされている。知的な雰囲気を醸し出す眼鏡、よく整えられたひげを蓄えている彼は、非常にやわらかで紳士的な雰囲気を醸し出していた。
僕といえば、ジーンズにオレンジ色のトレーナー。上に着ているのはラッキーストライクのフライトジャケット。髪は朝起きたままだし、ひげに至ってはただ数日剃っていないだけの無精ひげ。
あまりに違う佇まいに ふと、
同い年のはず・・・だが?
と、思いがよぎる。
それまでお互いの中で経過していた時間が異なりすぎたのだろう。
過ごしてきた人生がそのまま表に現れているような気がして、少し苦笑する。
「久しぶりだな」
少し世間話をして、じゃぁな と立ち去る。
前の日に見た夢が少し頭をよぎった。
彼は、満天の星空の中に大きな飛行船が飛んでいるのを見て、あまりの光景に驚きの声を上げるような夢など見ることはないだろうなどと、くだらないことを考えていた。
未だにそんな夢を見てしまう僕は、彼のような服を着ても彼のように紳士的になることはないだろう。
ほんの少しだけ、人生を考えた瞬間だった。(^^;
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小学生~中学生~高校生…その時その時に一緒の価値観であっても
分岐してから数年後に会うと全く変わってしまうことがありますね
外見もそうですが考え方やら行動やらファッションやら趣味やら…
それこそ5歳くらいから今なお付き合いがある友達というのも
いなくなったような気がしますねぇ・・・
男の場合結婚して奥様の権限も関係あるようで(苦笑)
そのせいで疎遠になった友人も多々います
10年ほど地元を離れてしまうとやはり溝は出来ちゃうような
そんな感じ方したりもありますね。
投稿: 偏遊人 | 2007/12/11 13:57
>偏遊人 さん
年を重ねると、友人のつきあいも結構めんどくさくなっていたりして。
何となく疎遠になっていきますよね。
もう、年賀状だけのつきあいの人が多くなっています。
投稿: さんぱつや | 2007/12/12 05:46