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2010/10/30

Laplace's demon

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もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も(過去同様に)全て見えているであろう。

– 『確率の解析的理論』1812年

フランスの数学者ピエール=シモン・ラプラスがはじめたこの主張。
未来をも見通すとされる知性を人々は「ラプラスの悪魔」と呼ぶ。

しかし、程なく原子の位置と運動量の両方を正確に知ることは原理的(不確定性原理)に不可能であることがわかり、ラプラスの悪魔はいないことが証明された。

現代、医療分野でエビデンスが叫ばれている。それは、リハビリの世界にも入り込んできている。
人の動きは、原子の位置と運動量をはかるより複雑なものであることは、ベルンシュタインが不良設定問題と呼んだ運動制御理解の困難さで解るはずである。
それをあたかも、こうすればこうなるといった指針を出すかのような表現に用いられるエビデンス。

かつて、ウィトゲンシュタインと言う哲学者が、自書「論理哲学論考」にて、以下のように書いている。
「およそ言いうるものは明瞭に言いえ、語りえざるものについては沈黙せねばならぬ。」

今、語りえざるものを、さも解ったように言う輩が増えてはいないか。


「エビデンス」が、現代のラプラスの悪魔に変わろうとしているとすれば、現代医療は何処を目指すことになるのか?

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